Text&Photo:Shuka Miyake(5B)
実は最近、16歳にして初めてマンガにハマった。
赤髪の坊主が主人公のマンガ。そう、『SLAM DUNK』(映画『THE FIRST SLAM DUNK』2022)に。この私が、16年生きてきてどんなラブコメマンガも戦闘マンガにもハマらなかった、この私が、SJK間近にしてスラムダンクにハマった。え皆さんもうご覧になられました? 見てない人今からこれ読んで映画館駆け込んでほしい。もうほんと、やつらのパワーは偉大過ぎるから。
「スラムダンク? それうちマジ知らんけどいいの?」
スラムダンクに最初連れていかれそうになったとき私はとっさにこう言ってしまうほど、正直興味はなかった。
去年の12月初めくらいかな、スラムダンクの映画の上映が始まって。私は映画がとても好きで、月に一度は必ず映画館に訪れ新作映画を見たり、気に入った映画は必ず二回映画館に見に行くほどで、よく暇つぶし感覚で映画館に訪れる。が、スラムダンクのことは名前をうっすら聞いたことがある程度で特別見に行きたいとも思ってなかった。事実、母に半ば強引に連れていかれたし、初めてスラムダンクの映画を見たときも「なんかしたいけど特にやりたいこともないし、映画館でも行くか。」そんな些細なきっかけだった。
正直、バスケには興味がなくて。元水泳部だし、現陸上マネージャーだし、まあバスケやるの好きだけど? スリーポイントシュートくらいしかルールも知らないんですが……
やばかった。見終わった瞬間に、Amazonを開いて、マンガ全巻欲しい。もっとスラムダンクのことを知りたい。もうそう思うよりも先に行動してしまうほど、圧巻の2時間だった。
何がそんなに私の心に刺さったのか、うまく説明ができないくらい「あっ」とも言えない間に映画が終わって、なんか気が付いたらスラムダンクのためだけに映画館に3回訪れていて、それでふと気付いたら主題歌無限ループしてた。正直めちゃくちゃビビった。気づかないうちにめちゃくちゃハマってて。
バスケのルールから、登場人物すら知らない私でも最後には涙を流して、鳥肌も止まらんくて、作品のパワーを全身で感じ取ってた。
「諦めたらそこで試合終了ですよ。」
みんな絶対一回は聞いたことあるこの言葉。なんかもう素晴らしい場面で素晴らしい人たちの話で、素晴らしい展開過ぎるところで使われてて、何がそんなに良くてうちのなかに刺さったのか言葉より先に思いが溢れ出て伝えたいことが沢山ありすぎてうまく伝わるか自信はない程、もう何もかもすべてが完璧な状態で揃った状態で放たれて。この言葉が。
というかなんかもう最近の世の中なっかなかこんなアツいものないし、この令和の時代にこんなにもアツい友情物語の映画がリアルタイムで見れるなんて、うちめっちゃ恵まれてるわ。いつかみたスラムダンクのテレビの特集でも言われてたけどいやマジ何よりもこの作品を道徳の教科書にするべきでしょ。
とまあ初めて見た直後にすでにこんな具合で。言葉が溢れてまとまらなかった。
それから少し経って。もうね、どうしても父に良さをわかってほしくて。まあ自分自身がもう一回見たいっていうのもあったんだけど。今度は私が半ば強引に父を映画館へ連れていった。そしたらもう、見事にスラムダンクの虜になった。
その結果我が家の車に乗れば必ず主題歌の「第ゼロ感」がかかってるし、なんなら父は一人黙々とマンガを読み終わり、ついこの間二回目のスラムダンクを見に映画館へ一人で足を運んで、それで一人で泣いたらしい。
全っ然興味もなかったし、絶対ハマらないだろうって思ってたのにこんなにも虜になってしまうなんて、映画とかマンガとか音楽とかの力って半端ないなってつくづく思う。正直、あの時暇じゃなかったら、もし母に無理矢理にでも連れていかれてなかったらマンガにもスラムダンクにもハマらなかったんじゃないかって考えると、そういう些細なきっかけってめちゃくちゃ大事だなって。最初はあんまり気が乗らなくても、気が付いたら人生を変えてくれるほど自分にとって大切なものになってるかもしれない。そういう小さなきっかけを見逃さずに大切に生きれたら人生めちゃくちゃ豊かになる気がする。
どう? スラムダンク見てみたくなったでしょ?