Text&Photo:Shugo Ikeda(5B)
今日は僕が最近見た映画『ドラえもん のび太と空の理想郷』(2023)について話そうかなと思います。「男子高校生がドラえもんはさすがにきつい」とか思わないで、とりあえず読むだけ読んでって。そもそもなんでドラえもん見たのかっていうところから話すと、僕はドラえもんがめちゃめちゃ好きなので毎年一応映画を見ていて個人的に一番好きなのは『新・のび太と鉄人兵団〜はばたけ天使たち〜』(2011)ですね。あーめちゃめちゃ好きとは言ったけどドラえもん以外何にも好きな漫画アニメがないわけじゃないですからね。進撃の巨人とかコナンとかいろいろ好きな作品はありますよ。コナンの最新作もこの間見てそれについても熱く語りたいけど長くなるから今回はやめときます。ほんでもってドラえもんの話になるんですけど、今年の映画はこれまで見てきた中でも1位2位を争う程の面白い作品でしたね。
この映画はそこに住めば誰でもパーフェクトな人間になれるというパラダピアが舞台となっています。パラダピアでは争いや犯罪、飢えがなくみんなが規則正しく生活し教育を受け誰もがパーフェクトな人間になることができます。じゃーここで一つ質問を投げてみようかな。
「パーフェクトって一体何だと思います?」
そりゃ、自分が完璧人間だったら何も困らず幸せだと思いますし今これを読んでいるあなたも一度はパーフェクトな自分になりたいと考えたことがあるでしょ? なかったら別にいいんですけどね。でもねこの世の中にパーフェクトな人間なんていないんですよ。みんな絶対何かしら欠点を持ってるんですよ。この映画はパーフェクトとは何なのかということを僕ら見ている側に問いかけています。
パラダピアで生活する人々はパーフェクトな人間に近づくにつれそれぞれの個性が奪われていきました。パラダピアでの完璧とは心を失い支配された状態のことをいうのです。だからねパラダピアの人々はパーフェクト人間ていっても個性を持たないロボットみたいな集団なんですよ。個性がなんにもない世界。そんなの嫌ですよね。そんな中、僕は劇中のドラえもんのこんな言葉が心に残りました。ほかにも印象に残ったシーンありましたけどいちいち紹介してられないのでとりあえず一つだけ。
「パーフェクトにならなくたっていい。これが僕だからだ。」
マジでめっちゃいい言葉ですね。ほんとに心に刺さりましたよ。つまりね、のび太のダメダメなところもスネ夫の意地悪なところもジャイアンの乱暴なところもしずかちゃんの強情なところもすべて彼らの欠点であり彼らの個性なんです。それは僕たちにだってあります。僕は人と話すことがあまり得意ではないけれどそれも僕の一つの個性です。この世の中はパラダピアのように同じような人間ばかりでは成り立たないのです。みんな違ってみんないい。だからこそこの世界はこんなにも素晴らしい。そういうことにこの映画は気づかせてくれました。
そういえばこんな感じの物語をどこかで見たことあるなって思ってたんですけど、僕が小学生のとき仮面ライダーでみたことがあったんですよ。その話も生徒会長の子が正義のためだと思い学校にいる風紀を乱している生徒から悪の力を使い心を奪っていく話でした。まあありがちな話ではあるけど結局こういう話って見ているみんながちゃんと考えさせられるから面白いと感じるんですよね。あとこれ言っちゃうと結構ネタバレになっちゃうんですけどラストの流れがまんま『ベイマックス』(2014)で完全に泣かせに来てた……。友達と見てなかったら多分涙腺崩壊。
えーっと何の話してたっけ、とりあえず僕が言えることは欠点を欠点だと思いマイナスにとらえるのではなく、欠点を自分の個性なんだとプラスに受け入れてみることがとても大切ということです。そうすれば今自分に自信が持てない人でもそんなことはなくなるはずです。どうですかドラえもんの奥深さわかりました? 正直ドラえもんなめてたでしょ。
今回の映画は「パーフェクトとは」という大人でも答えることが難しいテーマだからこそ誰でも楽しめる作品だなあと感じましたね。実際、周りは大人だけで見に来ている人が多く改めてドラえもんの国民的アニメっぷりが感じられました。もし興味持ったらこの映画だけとは言わずにほかの作品も見てみてくださいね。