Text&Photo:Kiaki Koike
最近外に出るってなるとええってなりません? ちょっと前みたいに気軽に外に出れる気候じゃなくなったし、家から出た瞬間うわってなる。夏だったら暑すぎるし、冬だったら寒すぎるし。正直今の日本の四季は三季になってて春、死、北極になっている感じすらする。最早人が住める季節にはなっていないんで、家に出来るだけ居たいなと思ってしまう。というか今の僕は完全に家至上主義なんですよね。家だったらリモコン操作一つで部屋の中の温度が自由自在に操れてしまう。その行為がさらに気候を壊していることに見向きもせずにね。というかそもそも小さい頃の僕はいつでも外に出たがっていた健康ボーイだったんですよ。それがこんな体たらくになってしまって、文明の利器中毒になってしまいました。
小学校の知り合いにあったら今の僕を見るなり驚くでしょう。小さい頃のあなたは20分休みの度に外に出ては走り回ったり虫を追っかけて捕まえたり、ダンゴムシの大きさを比べてたりしてたのに!って。
いや、驚かないか。だってこの高校2年生にもなってゲームより虫取りが楽しいなんて人のほうが珍しいですもんね。でもなんでなんでしょう。昔のほうがそういうのに触れて、今は全く触れないなんて人も珍しくなくなってしまったのは。文化によっては虫を平気で食べたりとかしてますし、歳をとると虫がだめになってしまうというのは違いそうですね。
だったら今の日本の教育が悪いのか? 悪いっていう言い方は変か。でもそんな気がしてたまらないのです。興味の対象が年齢によって必ず変化していくことは必然なのでしょうか。僕の周りでもそうですが、この年代の子供は一番ゲームに夢中だと思います。小さい頃はそんなんじゃなかった。でも歳をとるにつれて大体同じものに興味や趣味の対象が、移行してきている。どちらのほうが良いのかは僕にはよくわからないんですけど一つ言えることがあるとしたら、歳をとるとインドア派が増えていっているということです。
小さい頃虫が気持ち悪いって思わなかったのに今は思ってしまうのは完全に周りから刷り込まれた先入観。大人になっていくというのは洗脳が完了していく様なのかもしれませんね。だから大人は自分の考えが縛られていて、それが無意識のうちにどこかで苦しいからまだ自由でいられた子供時代を懐かしんだり憧れたりするのかもしれません。
よく青春は楽しんだほうがいいよって親に言われます。そこの時期が一番楽しいんだからって。当の本人にはわからないみたいで、大人になって振り返ってみるとそう思うそうです。でも年をとればとるほど時間が過ぎる速度は速くなってしまうみたいで、それって矛盾してるって思いません? 楽しい時間のほうが過ぎるのが早いのに遅く感じる今のほうが楽しんですって。青春が一番楽しく感じるのも周りの大人からの洗脳なのかもしれません。無意識のうちにそう刷り込まれるんです。
これから僕らは大人になっていきます。それにつれて好きな時間や好きなこともその年代にふさわしく大体みんなと同じものになるはずです。おそらく今のまま育つと青春というこの時間が好きになるように刷り込まれていくはずです。だけど僕はそういう刷り込みに対して敏感でいたい。そしてどんな時間が好きなのかくらいは自分が好きに決められる人生にしたいと思いました。