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ESSAY & INTERVIEW

深夜の冒険

投稿日 2025/9/11

Text&Photo:Yoshiyuki Amemiya 

好きな場所は自分の部屋です。一番ゴロゴロできる上に自分の世界が広がっていて、誰にも邪魔されない安心感があります。どんなに疲れていようと心は落ち着きますね。

あと不健康な生活をよくするので、カップラーメンやカップ焼きそばが大量にストックしてあります。夜中に小腹が空いた時、そういうのを手に取る瞬間も最高ですね。

たまに貯蔵が切れて仕方なくコンビニまで足を運ぶことになります。そのときの夏の夜の空気は大好きですね。あったかいけど、丁度いいくらいの風が吹いてるんですよね。なんとなく「自分だけの時間」を歩いている気がしてワクワクします。

コンビニへの道って、普段は何気なく通るだけの場所なのに、深夜になると全く違う顔を見せるんですよ。なんだか冒険してる気分になるんですよね。 特に深夜の静けさの中、街灯に明るく照らされた道を歩いていると、自分だけの世界に入っていくような感覚になります。「世界で夜食を買いに行ってるのは自分だけじゃないか」なんて妄想まで膨らんできます。

コンビニに着くと、やけに明るい店内の冷房と外の温度差でハッとなります。棚にはいつも買っている定番のカップ焼きそば以外に、ご当地ラーメンとか激辛系まで、色んな種類のカップ麺が並んでます。それを選ぶ時間も楽しいんですよね。結局いつも同じものを選んでいる気もしますけど。

レジを済ませて、袋をぶら下げて家路につく。帰り道は、買った夜食を早く食べたい気持ちと、さっきまでの静かな冒険の余韻が混じり合って、なんとも言えない満足感と達成感に満たされてます。家に帰ってきて、袋からカップラーメンを取り出してお湯を注ぐ。YouTubeを開いて、適当におすすめされた動画を再生する間にだいたい3分は経ってます。

最近は、将来のこととか、進路のこととか、考えなきゃいけないことが増えてきて、ただ不安になることもあります。 でも、こんな夜のひとときがあるから、「なんとかなるか」って思っちゃうんですよね。

時々、「このまま大人になったらどうなるんだろう」って考えることもあります。大人になったら、夜中にコンビニに行って、カップラーメンを夜食に食べるのも、当たり前になっちゃうのかなーとか思って。逆に忙しすぎてそんな暇ないかもしれませんが。

自分だけの小さな冒険の時間が、今の心の避難所なんだなって気がしてきます。