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ESSAY & INTERVIEW

卒業生インタビュー:河野瑞生さん(2020年度卒/早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系)

投稿日 2025/4/30

Text:Mio Yamakura・Ayaka Suzuki   Edit:warashibe

今回は早実に推薦入試で入学し、早稲田大学で体育会の庭球部に所属している卒業生の河野さんにお話をうかがいました。現在、文化構想学部の4年生。生き生きとした語りからは、充実した大学生活を送ってきた様子が伝わってきます。

河野 瑞生(かわの みずき)
高等部から早実に入学。高校ではテニスインターハイ団体優勝。早稲田大学文化構想学部文芸・ジャーナリズム論系4年。早稲田大学体育会の庭球部に所属。2025年3月卒業。

――まずは早実での生活を振り返っていただけますか。

高等部から推薦入試で入学しました。自分が打ち込んできたテニスの実績を評価していただけるとともに、勉強もスポーツもどちらも高いレベルでの取り組みが求められる早実の校風に惹かれたのが受験した理由です。

高校生活は特に勉強面が、中学の時と比べてレベルが上がったので初めはすごく苦労しました。でもいつの間にか慣れました。意外と時間もかからず。人間って慣れる生き物なんだなと思いました。

授業は集中して受けようと決めていました。休日も部活動があり、勉強できる時間があまり取れなかったので、通学時間なども活用しました。早実の授業は専門性が高く、先生の話も面白いので飽きずに勉強することができました。

テニス部での経験はいま考えると本当に貴重なものでしたね。テニスが強いとか試合の勝ち負けといったことを超えて、早実のテニス部は人間としてどうあるべきかを教えてくれました。「相手に思いやりを持って接すること」「相手が自分に向けてくれた思いやりに気付き感謝すること」という顧問の先生の言葉は特に心に残っています。テニス以上に大事なことを学ぶことができました。

大学に入ってからあらためて感じた早実の良さもあります。初等部、中等部、高等部推薦・一般と、背景がバラバラの人たちが集まっているので、様々な刺激を受けることができます。大学に行っても早実からの友達がいるというのも心強かったですね。

――現在は文化構想学部の4年生ですが、どんなことを学んでいるのでしょう?

高校入学当初から早稲田大学の文化構想学部に興味を持っていました。途中、他の学部に気持ちが傾いた時もありましたが、「本当に自分の好きなことは何か」を基準に判断して進学を決めました。

文化構想学部の魅力は様々な学問分野を幅広く学べるところです。「幅広く」というと早実生の中では社会科学部などが浮かぶと思うのですが、文化構想学部も講義選択の自由度が高くて面白いですよ。印象に残っているのは漫画とかアニメとかドラマの分析。こんなの勉強じゃないでしょ!と思うような講義もあり、学問の自由が感じられました。

文化構想学部のゼミは3年生から始まります。週1で100分が2コマ連続。私は作家の堀江敏幸先生のゼミに所属していて、卒業制作として短篇小説を何本か書いて提出する予定です。今は4年生なのでゼミが大学での学びの軸ですが、1,2年生の頃は自分が何に興味があるかもわからないまま、積極的に色々な講義を取っていました。

よく文学部との違いについて聞かれますが、ざっくり言うと文学部は「過去~現在」を中心に学び、文化構想学部は「現在~未来」のことを中心に学ぶ、と自分では理解しています。AIが社会に与える影響、などが典型的でしょうか。

戸山キャンパスは早稲田キャンパス(本キャン)からほんの少し離れていますけど、綺麗でとても良い環境です。みんなが好きなスタバもあるし(笑)。

――大学では体育会の庭球部に所属されています。忙しい日々だと思いますが、何か心がけていることはありますか?

高校までとは違って大学は基本的には自分の学びたいことを学べる場ですが、実はそういう自由は部活動においても同じです。自由度が高すぎて、最初は困りました。頑張るのも頑張らないのも自分次第。その結果はすべて自分に返ってくる、というところには責任の重さを感じました。

ただ、部活動は自分一人で頑張るものではなくて、常に一緒に頑張る仲間がいたのは心強かったです。一度トレーニングで1本約100mのダッシュを60本走ったことがありますが、絶対に自分一人では走りきれなかったと思います。隣の人に負けないようにしよう、とかはあまり思いませんでしたが、途中で投げ出せる雰囲気ではなくて、皆でわーきゃー言いながら気付いたら走りきっていました。

心がけているのは時間の使い方ですかね。部活のスケジュールは授業がある平日は週5~6回、3時間ほど。土日は午前3時間、午後2時間ほど練習していました。春休み、夏休みの長期休みは、一日練習と練習試合などがあり、合間に不定期にオフがありました。学校とテニス以外の時間は寝てるだけ、ではもったいないから、余った時間をどう使うか。

将来社会に出ていくにあたって、大学以外の世界を知らないままというのは不安ですよね。だから大学以外の世界の人と関われる機会にはできるだけ参加するようにしていました。すでに出来上がったコミュニティにとどまるんじゃなくて、なるべく自分の世界を広げるようにしたいと考えています。

体育会に所属していても、自分が頑張るものを一つに絞らなくても良いと思っています。行きたいところに行って、会いたい人に会って、時間を見つけて色々なことに挑戦するようにしています。

――最後に、今後の展望について教えてください。

大学卒業後はメディア関係で働くことになっています。スポーツ中継に携わりたいですね。

大学で本気でやってきたテニスと、文芸・ジャーナリズム論系での学びを生かしていきたいと思っていたので、それが叶う環境を見つけられたことには満足しています。好きなこと、得意なことを掘り下げていったら自然とたどり着きましたね。そういう意味では学部を決めたときと一緒。やっぱり「本当に好きなこと」を追い求めるべきだと思います。