Text&Photo:Taiga Shibata
いとこにかまってもらってる時間が幸せでしょうがないんです。4歳の天使なんですけど、これがなかなか面白い子なんです。実は最近この子に気づかされたことがありました。それは“自分は遊んでもらっている側である”ということです。
この前「ババ抜きをしよう」って誘われたんです。仕方がないから遊んであげるよと言いながらもウキウキな僕でした。遊び始めて5分くらいたった頃にいとこがウトウトし始めたんです。寝るか聞くと、頷きながら「あとは一人でババ抜きできる?」と僕のことを心配してくれました。そうなんです。うちの子とても優しいんです。それはさておき、一人でババ抜きなんかできるわけがないでしょう。二人ですら少し味気ないのに。
いとこが寝てからは、惰性でスマホをいじるだけです。まったく楽しくありませんでした。ここで僕は気がついたんです。遊んでもらっていたのは自分だったんだと。そしてかまってもらっている時間がどれほど幸せだったのかを。
4歳だった時期がある方はわかると思うんですけど、結構気まぐれなんですよね。つまり僕が幸せに感じている時間など、この子の便意一つで簡単に消え去るってことです。まあでも、それくらいの関係だから可愛くてしょうがないんでしょうね。
いとこ、祖父母、親戚、ここら辺が一番美味しいとこ取りのポジションだと思うんですよね。いくら可愛くても、一緒に暮らして毎日面倒をみるとなるとまた色々と複雑な感情が芽生えてくると思います。“孫は来てよし帰ってよし”って言うじゃないですか。たまにうちに来て笑顔と可愛さを振りまいて帰っていく、それくらいが丁度良いんです。
あとは成長をしっかり感じられることですよね。僕の声変わりも、最初に気づいたのは両親じゃなくて祖母でした。まあ、高校生なんて身長と声くらいしか成長を見せてあげられませんが、4歳ともなると毎回の成長が著しいんです。ついこの前までつかまり立ちをしただけで感動の嵐を巻き起こしていた子が、今ではダンスを踊ってくれるんです。もう感動ですよね。
そして、なんといってもこの会話の面白さですよ。ただの会話でもこの子から予想通りの返事なんて返ってきたためしがありません。言葉のキャッチボールっていうのが存在しないんでしょうね。野球ボール投げてんのにラグビーボールを蹴り返されているようなものです。そんな会話面白いに決まってるじゃないですか。しかも面白さ楽しさだけでも十分なのに可愛さまで兼ね備えてるときたらもう最強です。
日々いとこ不足で乾ききっている僕は、この子に会うたびにハートをぶち抜かれています。こうやって、いとこと関わっている時間が僕にとって幸せで溢れている時間なんです。